遍路とは、四国にある八十八の札所を拠点としながら四国全体を巡礼する行為です。
八十八の寺院は、いずれも歴史が古く、お大師さま(弘法大師)との由緒があると伝えられています。
お大師さまは、ご生誕の地である四国で修行をされました。そこで自らの生き方を考え、理想を求められ、一人でも多くの人々にそのことを伝えたいと祈り、苦労を忍ばれました。お大師さまは、鎮護国家・済世利民を強調され、人々が幸せであり、繁栄することを理想とされました。
私達一人一人が自らの能力、才能を存分に生かしきる生き方を目指し、努力することも勧められました。そのお大師さまの御跡を慕い同行するのが遍路です。
また、遍路は心の変革をもとめる行為でもあります。
別段深く考えなくとも、ただ寺を巡っていくうちに、自ずと心の変革がなされていくともいわれています。
難解な書物を読んだり、難しい経典を解釈し、常人が及ばぬ苦行を積むということを求められているのではありません。
しかし、霊場を遍路するという行為は、一時的にせよ聖域への現世離脱的な行為であり、さまざまな作法や決まりごとがございます。
実際の行動に移る前に、あらかじめ、心がけや行動に込めた意義を心に刻んでおけば、遍路がいっそう深められるのは確かでしょう。
古来より遍路では「祈り」が大切だといわれております。ご丁寧にご本尊さま、お大師さまをお祈りください。
四国八十八ヶ所の各札所は、巡礼の寺であると共に地元の檀信徒の寺院であるという二面性を持っています。
また、遍路者を札所の寺院や周辺の住民は「修行者」と見る厳しい目も持っています。
そのようなことから、遍路者専用の施設は、必要最小限のもので、伝統的に寺や地域住民の善意によって今日に至っています。
昔に比べて今は随分と施設が改善されておりますが、観光地のような札所ばかりではありませんので、その点をご理解ください。
「トイレを借りた場合は、汚さないようにする」
「早朝には民家の近くでは車のクラクションやエンジン音を大きくしない」
「自分の出したゴミは持ち帰る」等、
旅のマナーを守って遍路をしましょう。
四国の人々が、遍路者を「お遍路さん」と呼んで、尊敬し、温かくむかえてきたのは、お大師さまに帰依をして懸命に修行をされている姿を見てきたからです。
減り張りのある遍路を心がけながらお参りください。
お納経(ご朱印)は各札所でご本尊さまとお大師さまにお経を(読経、写経等で)奉納し、ご縁を結んだ「しるし」にいただくものです。
そういうことからお納経と呼ばれております。お納経は、ご本尊さまとお大師さまにお経を奉納した後に納経所でお受けください。
また、各札所のご本尊さま、お大師さまのご加護を受けるためのものでもあります。お参りの際は是非お受けください。
※お納経をお受けできる時間は基本的に午前7時より午後5時までとなっております。
※お納経は、原則としてご本尊さまとお大師さまにお経を奉納した後に納経所でお受けください。
ただし、納経時間が終了直前の場合は、順序が逆になりますが、霊場にその理由を告げてお受けください。
※記念スタンプではないことを十分心にしてお受けください。
※規定以外のものには納経できない場合があります。
※納経帳には重ね印といい、お参りするたびに、2回、3回と同じ納経帳に重ねてご宝印をいただきます。
※春・秋などは納経所が混雑することがあります。余裕をもってお参りください。
※年中休むことはありませんが、冬季には日没が早くなり道中に危険な場所もあり注意してお参りください。
♢白衣(道中着)
♢白衣(袖無し)
白衣(御詠歌入り)
♢念数
♢さんや袋
♢遍路笠
♢経本
♢輪袈裟
♢金剛杖
♢納経軸
♢線香・蝋燭・納札
お経を納めた証にいただくお納経(ご朱印)のための帳面。 納経帳は1回だけでなく重ね印といい、お参りするたびに2回・3回と同じ納経帳にご宝印(ご朱印)をいただきます。
納経帳と同じくお納経(ご朱印)のための掛け軸
着用するものとご主印を押していただくものと、2種類あります。
詳しくは 巡拝用品カタログをご覧ください